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東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 磯貝・江前・齋藤・竹内研究室

研究紹介

バイオ系ナノ材料

各種キチンナノフィブリルの調製と特性解析 

キチンもセルロース同様、高結晶性のキチンフィブリルというキチン分子が集合した超極細幅のナノファイバーを分子に次ぐ最少エレメントとし、タンパク質、炭酸カルシウムと複合化し、昆虫やカニ、エビなどの節足動物の外骨格として生命を守っています。キチンは様々な方法によって、そのフィブリルエレメント幅にまでナノ化でき、水中で完全にナノ分散して透明高粘度になります。TEMPO触媒酸化によって、フィブリル表面に高密度でマイナスの荷電を付与することにより、キチンナノウィスカー(棒状物質)が得られます。また、カニやエビ由来のα-キチンのミクロフィブリル表面のみのアセチル基を部分的に除去することにより、フィブリル表面にプラスの荷電を付与することができ、ナノ分散が可能になります。結晶化度の低いイカの腱由来のβ-キチンを用いた場合には、弱酸性水溶液中で解繊処理するだけで、透明高粘度のナノ分散液が得られることを見出しました。この方法により柔軟で極めて長いβ-キチンナノファイバーが得られます。

幅が約4nmの完全ナノ分散キチンナノウィスカー、ナノファイバーは電子顕微鏡画像から、部分的脱アセチル化α-キチンおよびβ-キチンから得られます。それらキチン/水ナノ分散液をキャスト-乾燥成形して得られるフィルムは透明で、そのフィルム表面を原子間力顕微鏡で観察することで、キチンナノエレメントの集合体であることが確認できます。

各種キチンナノウィスカー、ナノファイバーの透過型電子顕微鏡画像(左)
およびその水分散液からキャスト乾燥成形したフィルム表面の原子間力顕微鏡画像(右)

Fan, Y.; Fukuzumi, H.; Saito, T.; Isogai, A. International Journal of Biological Macromolecules,
2011, 49, in press, DOI: 10.1016/j.ijbiomac.2011.09.026

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