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東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 磯貝・江前・齋藤・竹内研究室

研究紹介

バイオ系ナノ材料

TEMPO電解酸化によるレーヨン繊維の化学改質 

これまでも、セルロース分子の一部にはヘミセルロースの分岐構造があるといわれてきましたが、確証を得るまでには至っていませんでした。本研究では、まず、各種の木材試料から温和な条件で脱リグニン処理を行ったホロセルロース(セルロースとヘミセルロースが主成分)を、エチレンジアミンで膨潤前処理を行うことで塩化リチウム-1,3-ジメチルイミダゾリジノンという非水系透明セルロース溶剤に完全に溶解させました。そのホロセルロース溶液をサイズ排除クロマトグラフィーで分析し、特に高分子量部分の光散乱挙動から、その溶液中でのセルロース、ヘミセルロースのコンフォメーションを解析しました。

その結果、リグニン等のない綿セルロースやバクテリアセルロースは、直鎖状の高純度セルロース分子でしたが、木材セルロースは分岐構造を示す密度の高いコンフォメーションを示しました。おそらく、高結晶性のセルロースミクロフィブリルが形成された後に、その表面でリグニン関連物質が関与して化学反応により、ヘミセルロースとセルロース分子が化学結合し、結果的に分岐したセルロース分子が生成するものと考えられます。木質細胞壁は、セルロースミクロフィブリル表面での分岐構造によりリグニン、ヘミセルロース成分と分子レベルで複合化されたコンポジット構造を形成し、高強度木部が樹木の生命を守っていることになります。

Isogai, T.; Saito, T.; Isogai, A. Biomacromolecules, 2010, 11, 1593-1599.

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