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東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 磯貝・江前・齋藤・竹内研究室

研究紹介

バイオ系ナノ材料

TEMPO酸化セルロースナノファイバー 

樹木中のセルロースは、精緻な階層構造を形成して細胞壁となり、大きな樹木を支えています。その中で近年注目されているのが「ミクロフィブリル」と呼ばれる構造単位です。セルロースミクロフィブリルは、幅がわずか数ナノメートルで長さは数ミクロンと長く、化学的に安定で物理的に強固な優れたナノ素材です。しかし、樹木中のミクロフィブリルは細胞壁内でお互いに強く結束しており、ミクロフィブリル1本1本を解いて材料利用することは従来できませんでした。

当研究室では、TEMPO触媒酸化と呼ばれる化学反応と軽微な機械処理を組み合わせることにより、セルロースをミクロフィブリル単位に解くことに世界で初めて成功しました。TEMPO触媒酸化とは、水中、常温・常圧下で行える環境にやさしい化学反応です。当研究室ではこの新たなバイオナノ素材、「TEMPO酸化セルロースナノファイバー(TOCN)」の多種多様な応用展開を検討しています。例えば、水に分散したTOCNを成膜すると、透明で強く、熱に安定なフィルムができます。更にこのフィルムは酸素をほとんど通さず、酸化防止膜として優れた性能を持つことも分かっています。

Isogai, A.; Saito, T.; Fukuzumi H. Nanoscale 2011, 3, 71-85.

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