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東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 磯貝・江前・齋藤・竹内研究室

研究紹介

ペーパーデバイス

有用化学物質をつくる紙 

代表的なセルロース系材料として、「紙」が挙げられます。紙は汎用性の高い生活素材であり、印刷・情報用紙、包装用紙、衛生用紙など、その利用分野は多岐に渡っています。生産性や利便性に優れているため、さらなる用途拡大が期待されており、従来の紙に新たな機能を付与した「機能紙」の開発が盛んに行われています。当研究室では、無機基材の機能化法として知られるシランカップリング技術をセルロース濾紙に応用することで、新規な紙状触媒の開発を行っています。

シランカップリング剤の水溶液に紙を浸漬した後、水を蒸発させて加熱処理を施すと、紙の構造支持体であるパルプ(セルロース)繊維表面に機能性官能基が導入されることが分かりました。この技術を利用すれば、非常に安価で取り扱い易い紙に触媒機能を付与することが可能となります。例えば、アミノ(NH2)基を導入した紙は、優れた塩基触媒として機能することが判明しました。すなわち、ベンズアルデヒドとシアノ酢酸エチルを原料として、α-シアノけい皮酸エチル(抗高血圧薬の中間体として有名)を効率的に生産することが可能でした。この触媒機能紙は、反応系から容易に回収・再利用可能で、従来の粉末状固体触媒や液体触媒と比べてはるかに高い利便性を有しています。また、紙独特の多孔質構造は、原料を連続して流すフロー式反応にも適しています。本手法を利用すれば、目的に応じて様々な機能性官能基を導入できることから、幅広い分野への応用展開が期待されます。

シランカップリング法の応用によるセルロース濾紙のアミノ基修飾

Koga H.; Kitaoka T.; Isogai A. Journal of Materials Chemistry 2011, 21, 9356-9361.

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