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東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 磯貝・江前・齋藤・竹内研究室

研究紹介

多糖及びプラントサイエンス

セロウロン酸の構造と安定性 

セルロースは本来水に不溶ですが、TEMPO触媒酸化を再生セルロースやマーセル化セルロースなどに適用すると、水溶性のポリグルクロン酸であるセロウロン酸が定量的に得られます。このセロウロン酸は、室温かつ短時間で調製することができ、さらに均一な化学構造、生分解性、生物代謝性を有しているため、代表的な水溶性セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロースなどと同様、増粘剤、食品添加材、化粧品、洗剤添加剤等の利用が期待できます。

また、セルロース誘導体類はpHによって異なる分子量低下挙動を示すことが分かっておりますが、セロウロン酸は特有のpH安定性、不安定性を示します。特に、通常のセルロースとは異なり、アルカリ性の水中では室温下でも-脱離反応により分子量が低下しますが、酸性~中性条件下では高い構造安定性を示すことが判明し、通常のセルロースとは逆のpH安定性挙動を有しています。これらの性質から、これまでセルロースでは適用しにくかった酸性条件下での反応や利用が可能になります。さらにセロウロン酸は、TEMPO酸化セルロースナノファイバーのようにガスバリア性を示すことも分かっており、環境調和型の新規高分子電解質としての利用が期待できます。

Fujisawa, S.; Isogai, T.; Isogai, A. Cellulose 2010, 17, 607–615.

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