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東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 磯貝・江前・齋藤・竹内研究室

研究紹介

多糖及びプラントサイエンス

光散乱法による多糖類のコンフォメーション解析 

各種高分子の構造解析、特性解析手法の一つに、液体に溶解させてそのコンフォメーション(溶解状態の分子の形状)から知見を得る方法があります。高分子の分子量は高分子どうしが会合することなく、完全に液体中に溶解(分子分散状態)させなければなりません。高分子を分解せずに溶解することができれば、粘度法や溶質排除クロマトグラフィー法(高分子の慣性半径≒形状によって分離する方法)によって分子量を決定することができます。特に、溶質排除クロマトグラフィー法(SEC)に多角度光散乱検出器(MALLS)を組み合わせることにより、高分子の絶対分子量を算出することができます。

各種セルロースについてはいくつかの分子量測定法が提案されてきましたが、相対分子量ではなく、絶対分子量の測定には限界がありました。SEC-MALLS分析には、まず様々なセルロース試料について、セルロース分子を分解させずに溶解でき、その溶液が安定で透明でなければなりません。これらの条件を満たすセルロース溶剤として、塩化リチウム-1,3-ジメチルイミダゾリジノンを選択し、SEC-MALLS分析を行い、バクテリアセルロース、ホヤセルロース、各種製紙用パルプ、キチン、キトサン等の多糖類や各種合成高分子の分子量と分子量分布について新しい知見を得ることができました。また、キトサンでは分子鎖に残存するC2-アセトアミド基の存在が溶液状態での会合形成に寄与していることも判明しました。

SEC-MALLSシステム全景 各種セルロース試料のSEC-MALLSによる溶出パターンと分子量プロット
 
SEC-MALLSシステム図  

Yanagisawa, M.; Isogai, A. Biomacromolecules, 2005, 6, 1258-1265

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